Research Abstract |
コミュニケーションロボットが感情を表出するための表情表出システムについて研究を行った.本年度は,以下の点について研究を行った. 1.性格は,その人が生まれつきもっている感情や意志などの傾向のことであり,性格の一致や不一致が二者間の関係に大きく影響する.つまり,ロボットと人との間に一種の信頼関係を築くためには,ロボットの性格を作り出し,人とのインタラクションに導入することが重要と考える.そこで,本研究では,表情変化によるロボットの性格付けを試みた.具体的には,感情領域を用いて表情を生成する際に,異なる軌跡を用いることで,表情変化に意味を持たせた.実験の結果,ロボットの情緒安定性に変化を与えることができることを確認した. 2.これまでに,恒等写像学習を用いて感情空間を構築し,これを用いて感情的な表情を表出する手法を提案した.また,この手法を評価して,怒り,喜び,驚き,悲しみの4つの感情の表出についての知見を得ているが,異なる2つの感情間の表情遷移については触れていなかった.本研究では,感情空間を利用した2感情間の表情変化による人への心理的なインタラクション効果について考察した.実験では,提案手法は,表情制御パラメータを線形に変化させる手法の特徴であるエンタテインメント性と,感情空間を線形に移動して表情を生成する方法の特徴である人間性という2つの特徴を取り入れた表情を表出できることを確認した.
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