2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブレイン・マシーン・インターフェイスのための課題切り替え機構の解明
Project/Area Number |
17700167
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 有央 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員 (00392663)
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Keywords | 主成分分析 / 前頭葉 / ニューロン集団 / 課題の切り替え |
Research Abstract |
本研究では認知機能に重要な役割を果たしている前頭葉の神経細胞の活動を定性的に説明する人工神経回路網を構成することを目的とする.特に課題を切り替えて行っているサルの前頭葉の神経細胞活動を説明する人工神経回路網を構成する.これは前頭葉を損傷している患者に対して,認知機能を回復するためのブレイン・マシーン・インターフェイスを構成するのに役に立つ.18年度はMatch課題とNonmatch課題を切り替えて行っているサルの前頭葉で記録された神経細胞集団の単一試行活動から眼球を動かす位置と動かすか動かさないかの意思を抽出する研究を行った.この研究はブレイン・マシーン・インターフェイスを構成するために必要な技術の一つである.サルに課したタスクは次のようなものである.始めにスクリーンの中心に緑色か赤色の正方形が表示され,サルはこの正方形を注視することを求められる.それから正方形の周辺にある6つの位置のいずれかに刺激が表示される.次の期間では,表示されていた刺激が消え,緑色か赤色の正方形のみが表示される.最後に,中心の正方形が消え,以前に表示された刺激の位置とそれとは異なる位置の2カ所に刺激が表示される.サルは,Match課題では,始めに提示された刺激の位置を眼球を動かす位置として記憶し,Nonmatch課題では,刺激の位置を眼球を動かしてはいけない位置として記憶することを求められる.これらの課題を実行中に1個ずつ独立に記録した323個の神経細胞を同時記録した集団として扱い,その単一試行活動を解析した。その結果、眼球を動かす位置については最大98%の試行で正しい位置を推定でき,眼球を動かすか動かさないかの意思については最大80%の試行で正しい意思を推定できた.19年度は今まで得られた結果を基に人工神経回路を構成する予定である。
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