2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700172
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
森 大毅 宇都宮大学, 工学部, 助手 (10302184)
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Keywords | 感情心理学 / パラ言語情報 / 韻律 / 声質 / 音声対話システム / 音声合成 / 談話解析 |
Research Abstract |
本研究では、発話内容や状況に合った、人間らしい話し方ができる音声対話システムを実現するため、(1)自発的な対話音声を収集し、音声対話において重要なパラ言語情報を付与した大規模なコーパスを構築すること、および(2)収集した音声に対してイントネーション・持続時間長・フォルマントなどの音響分析を行い、それらの音響的特徴と言語情報・パラ言語情報・談話情報との関係をモデル化すること、を目的とする。 本年度は、複数の評定者に収集した対話音声を聴取させ、知覚されたパラ言語情報を記述させる作業を行うことを当初計画としていた。 当初計画では評定者は3名程度としていたが、過去の心理実験の調査などから、安定した評定結果を得るためには評定者の選別が重要であることがわかった。このため、本作業に先立って評定者選別のためのスクリーニングテストを設計し実施した。スクリーニングにおいては同一発話を複数回評価した場合の評定者内一致度、多数評定者の平均評定値との相関、評価項目の理解の3基準を元にしたテスト方式を開発した。6名の評定者に対して上記のテストを実施し、合格した3名を本作業の評定者とした。本作業では、約4000発話に対するパラ言語情報の評定を24回に分け、約4ヶ月の時間をかけて完了した。 また、平成19年度に実施予定の音響的特徴とパラ言語情報との関係のモデル化のための準備段階として、韻律情報およびフォルマントの音響分析を行った。声質の変化に対応するため、基本周波数情報の抽出が困難な箇所を人手でマーキングし、今後のモデル化がスムーズに行えるようデータを整える作業を行った。
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