2005 Fiscal Year Annual Research Report
駆動輪の滑りを伴う全方向移動ロボットの衝突防止を考慮した安全ナビゲーション
Project/Area Number |
17700199
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
牛見 宣博 九州産業大学, 工学部, 講師 (70284536)
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Keywords | 移動ロボット / ナビゲーション / 衝突回避 / 全方向移動 / 特殊車輪 / スリップ比 / 制動駆動力 / 摩擦特性 |
Research Abstract |
本研究では,オフィス,病院,福祉・介護施設,あるいは駅コンコースなど,人間が共存する複雑な屋内環境や,狭い通路などで移動・作業することが考えられる全方向移動ロボットの衝突回避オンライン動作計画を検討し,ナビゲーションに利用可能な制御手法を確立する.特に,駆動輪の滑りを考えることによって,人や障害物との衝突防止を考慮した安全ナビゲーションを確立することを目的とする.本年度の研究では主に,滑りを考慮した駆動輪モデルの構築とシミュレータの開発を実施した. 駆動輪の滑りを考慮した移動ロボットの駆動輪モデルを構築するためには,移動面との摩擦特性を考える必要がある.全方向移動ロボットで多用されている特殊車輪(駆動輪)の材料となるゴムやプラスチックの摩擦特性を考慮し,タイヤ工学に基づき駆動輪の粘着域と滑り域のモデル化を行うことで制動駆動力の計算手法を示した.具体的には,駆動輪の制動駆動力がスリップ比によって変化することを示し,駆動輪の滑りによりロボット本体の速度の増加や逆向きの速度は生じないとする仮定に基づき,スリップ比を正規分布で与え,滑りやすさを標準偏差で与えることを提案した. 以上の駆動輪モデルに基づき,コンピュータを利用して滑りを考慮した移動ロボットシミュレータを開発した.提案モデルの妥当性は,シミュレーション結果と実機の測定値を比較することによって評価し,その有効性を確認した.なお,実機における駆動輪の滑り測定には,研究代表者らによって開発された2輪キャスタ型オドメータを利用し,その測定値を提案モデルの評価に使用した.移動ロボットの実験において,駆動輪の滑りは加・減速時や,路面の凹凸によって一時的に大きくなる場合がある.開発したシミュレータでは,この状況を再現するために各駆動輪に任意の滑りを与えることも可能である.
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