2005 Fiscal Year Annual Research Report
行為と注意のダイナミクスに基づく個人識別とコミュニケーション
Project/Area Number |
17700204
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久保田 直行 首都大学東京, システムデザイン学部, 准教授 (30298799)
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Keywords | 個人識別 / コミュニケーション / 行為システム / 知覚システム / 計算的知能 / パートナーロボット / 注意 / インタラクション |
Research Abstract |
身振り手振りを含む人間の行為には,注意を促す動作や表情を作り出す動作など様々な情報が含まれており,本研究ではこれらの情報を効率よく抽出することを目標とし,高精度のジェスチャー認識機構を実現するために計算的知能を用いた手法を提案する.さらに抽出した人間の行為のダイナミクスには,その人固有のパターンが存在しうるため,パターンの違いに基づく個人識別の手法を提案する.本年度は,個人の行為のダイナミクスを抽出するために以下の3つの研究を行った. まず,人間の動作を表現する代表点の時系列情報を用いて時空的パターンを学習可能であるファジィスパイキングニューラルネットワーク(以下,FSNN)を用いた手法を開発した.次に,自己組織化マップを用いてFSNNの時系列発火パターンから人間の様々な動作パターンをクラスタリングする手法を提案した.最後に,人間の動作系列から動作パターンを分類する予測に基づく知覚システムを提案した.本提案手法は,パターンの入力層,入力パターンの分類層,次の状態を予測する予測層,予測に基づき知覚モジュールを用意する選択層の4層から構成される.予備実験結果では,人間が,ボールを題材にロボットに英語を話し,ホワイトボードに書き説明するという動作を40分間繰り返した.本実験で用いたロボットの知覚モジュールは,差分抽出,人間検出,物体検出,手の動き認識の4つであり,これらが出力する知覚情報を表現するニューロンの発火パターンの時系列から,人間の行為のパターンの分類を行う.実験結果から人間が物体を持たずに発話などをしている状態,人間が発話しながら,物体を見せる動作,ホワイトボードマーカーで文字を書く動作,文字を消す動作等を分類し,その時間的変化のパターンから個人を特定する情報となりうる動作パターンを抽出した.来年度は,これらの提案手法から個人識別を行う手法を提案する予定である.
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