2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマノイドロボットを応用した人間の心理構造の定式化と解明
Project/Area Number |
17700209
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三輪 洋靖 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン研究センター, 研究員 (30367073)
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Keywords | 感情 / 気分 / 生体信号 / 計測 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では,工学を中心に心理学や精神医学などの知見を組み合わせ,生体信号や行動などの客観指標から心理状態を推定するためのヒトの心理モデルを構築することを目的としている. ヒトの心理状態はその作用時間が短い「情動」と作用時間が長い「気分」に分類できる.また,心理状態と身体状態は密接な関係があると言われており,心理状態の変化によって,自律神経系や体性神経系に変化が現れると予想される.平成17年度は「気分」に着目し,気分と身体状態の関係について仮説モデルの構築を行った.さらに,日常生活におけるヒトの生体信号がどのように変化するのかを計測した. 気分と身体状態の関係としては,落ち込んだ気分である「うつ状態」に着目し,うつ状態と生体信号の関係について仮説モデルを構築した.具体的には,うつ状態を頂点に,それによって引き起こされやすい障害,症状,生体信号や活動量の変化を階層状に結合したツリー構造とした. 生体信号の計測としては,日常生活に制限を与えることなく,非侵襲・低負荷で非随意信号を長時間連続計測する必要がある.また,単一指標よりも,複数の指標を同時に評価する方が有効であると考え,熱流束,加速度,皮膚表面温度,皮膚周辺温度,皮膚電気伝導度を同時に計測可能なウェアラブルセンサであるSense Wear Pro2 Armband (BodyMedia社)を使用し,自身による約9ヶ月間連続の生体信号計測および,7人の一般被験者(健常者)に対する4週間の連続計測を実施した.その結果,熱流束に24時間周期の強い信号が含まれること,熱流束・皮膚温について覚醒時と睡眠時の反応が異なっていることが確認された.今後,計測されたデータを用いモデルの検証を進めていく予定である. 最後に,本研究の成果を国内学術講演会に2件投稿し,うち1件の発表を行った.
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