2005 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中の生体分泌物質によるVDT作業ストレスの定量的評価法の研究
Project/Area Number |
17700238
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
野村 収作 島根大学, 総合理工学部, 助手 (80362911)
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Keywords | 感性情報学 / 認知科学 / 実験系心理学 / 情報工学 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究はパソコン端末を用いたVDT作業によりもたらされる心身ストレスを唾液中の生体内分泌物質の変動により客観的に評価し、またその変動データをもとに数理モデルを構成しストレス予測・制御に応用することにあった。本研究において平成17年度に実施された具体的な研究内容として以下の点に要約される。 ・独自に工夫した唾液採取方法による唾液中生体内分泌物質の連続測定 近年の分子分析技術の飛躍的な発展により、人間の生体内の微小な物質(ホルモン・免疫等)の定量的測定が可能となってきた。またそれに伴い90年代前半より心的ストレスが唾液中の生体内分泌物質の分泌を亢進させることが発見され、研究されてきた。しかしながら、唾液によるストレス評価の研究の大半は一過性のストレスを評価対象とし、ストレッサー前後の生体内物質を変化評価しており、時系列データによる詳細な動態を観察することは無かった。この背景として一つには測定コストの問題が挙げられるが、他方、唾液の連続採取による唾液量の低下およびそれに伴うフィードバック効果が対象とするストレッサー由来の生体内分泌物質変動をマスクしてしまう、といったことが挙げられる。これに対し本研究では独自に開発した唾液採取法により連続採取による唾液分泌速度の変動を有意に抑えることに成功し、ストレスに由来する生体内分泌物質の詳細な変動をとらえることに成功した。またそれに伴い、従来当該研究分野で常に議論となってきた唾液量と唾液に含まれる生体内分泌物質量の相関に関して、相関の無いことを示唆する貴重なデータが採取された。 この他、数理モデル研究の為の脳波測定および非線形振動子モデルについて研究を行った。
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Research Products
(7 results)