2005 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタルパルスニューロン回路とその結合系の現象解析と情報処理への応用
Project/Area Number |
17700246
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
鳥飼 弘幸 法政大学, 工学部, 助手 (20318603)
|
Keywords | スパイクニューロン / 乱数発生器 / 超離散系 / スパイク間隔変調 / 再構成可能ハードウェア |
Research Abstract |
本研究では新しいデジタルスパイクニューロン(DSN)を提案した。DSNはパラメータ値と初期値に応じて様々なスパイク間隔の組み合わせからなるスパイク列を発生できる。本研究ではDSNが発生するスパイク列に対する、スパイク間隔変調(スパイク間隔のしきい値関数による二値化)に基づいた2値符号化法を提案した。スパイク間隔変調は非線形力学系における記号力学と密接に関係しており、その考察は基礎と応用の両面から興味深い。DSNはパラメータ値に応じて様々な種類の符号に対応するスパイク列を発生できる。本研究ではDSNのスパイク列とその符号の解析法として、スパイク位置のダイナミクスを記述する写像(スパイク位置写像)を提案した。同写像を用いて、「あるパラメータ値の場合にDSNは二進符号に対応したスパイク列を発生でき、別のあるパラメータ値の場合にはDSNはグレイ符号に対応したスパイク列を発生できる」ことを理論的に示した。また同写像に基づいて、計算機を用いた高速で厳密なDSNの解析が可能になる。このようなDSNのスパイク列の符号化特性の考察は、DSNの将来の応用(例えば、パルス結合ニューラルネットワークやインパルス通信等)を発展させる基礎となる。また本研究ではDSNの再構成可能ハードウェア(例えば、Field Programmable Gate Array:FPGA)を用いた実装の基礎として、ハードウェア記述言語によってDSNを設計し、その動作を計算機実験で確認した。
|