2006 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタルパルスニューロン回路とその結合系の現象解析と情報処理への応用
Project/Area Number |
17700246
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
鳥飼 弘幸 法政大学, 工学部, 助手 (20318603)
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Keywords | スパイクニューロン / FPGA / パルス符号化 / パルス結合ニューラルネット / 超広帯域インパルス無線 / Brain-Machine Interface / 多重化通信 |
Research Abstract |
生物の神経細胞のモデルとして様々なアナログ微分・差分方程式が提案されているが、本研究ではそれらのモデルの中で比較的簡素なモデルからヒントを得た、新しいデジタル回路(デジタルスパイクニューロン、以下DSNと略す)を提案した。DSNは複数のシフトレジスタの結合系として実装可能であり、それらのレジスタの間を結ぶ結線のパターンがDSNの動作を決定する重要なパラメータである。すなわちDSNは、結線パターンに応じて様々なスパイク間間隔(ISI)を持つスパイク列を発生できる。本研究ではDSNの結線パターンと出力スパイク列の基本的な特性(例えば、初期値に依存して共存する周期的スパイク列の数、周期的スパイク列の周期等)の関係を明らかにした。また、スパイク位置変調に基づいたスパイク列の2値符号化を考察した。同符号化により「DSNがどの程度の種類のデジタル情報をスパイク列に符号化することが出来るか?」というDSNについての所謂パルス符号化能力を解析した。その結果、DSNは結線パターンに応じて様々な種類の符号の集合をスパイク列の集合に写像する機能を有する事を示した。また、DSNのパルス結合ネットワークを提案しその特徴的な同期現象を考察した。例えば同ネットワークは同期現象に基づいて、多重化された複数のスパイク列を分離する機能を有する。その様な同期現象の工学的応用例として、スパイク列に基づく多重化通信を考察した。またそして同ネットワークをハードウェア記述言語で設計し、その動作を確認した。
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