Research Abstract |
本研究課題では,研究代表者がこれまでに提案した非線形主成分分析の手法に基づいて,データ圧縮に関する理論的な検討,および,データ解析やパターン認識分野への応用を行った. 2005年度は,提案した非線形主成分分析の手法により構成される主成分軸および主成分得点の等高線の性質について理論的な考察を行った.この考察により,主成分軸と等高線が理想的な条件下でとりうる開閉構造についての定理を証明した.また,提案手法を適用したパターン識別の手法を考案し,その有効性についても検討した.本手法は,非線形主成分分析を用いてパターンのクラスごとに非線形固有空間を構成し,それぞれの固有空間の復元誤差を参照することでパターン識別を行う手法である.また,本研究課題を基礎として,自己相関関数に基づいた流体速度分布の画像計測などに関する研究も行った. 2006年度は,前年度までに提案した非線形部分空間を用いたパターン識別手法を画像データなどの識別に適用し,その有効性を確認した.また,本研究課題を基礎として,データの距離関係を変換するデータ解析法画像計測による気象解析,心臓の物理モデルシミュレーション,画像の時間相関を利用した流速計測,シミュレータを用いた倒立振子の学習などについて,新しい手法を提案し評価を行った.また,現在,提案した非線形主成分分析の手法を人間の運動解析に応用する研究に着手している.提案手法を用いて,運動の学習前後で運動パターンの自由度がどのように変化するか計測し,運動学習の評価法として確立することを検討している.
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