2005 Fiscal Year Annual Research Report
Visual World パラダイムを用いた文理解実験
Project/Area Number |
17700264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広瀬 友紀 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50322095)
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Keywords | prosody / ambiguity / visual world paradigm / 文理解 / 文産出 |
Research Abstract |
今年度については、文産出および文理解において、視覚的情報と韻律情報の役割や、それらの情報が相互におよぼす影響について、発話分析および知覚実験を中心に検討した。統語的曖昧性を含む表現の処理における非言語的諸情報の役割に関する研究では言語産出時に呈示される視覚情報(指示物の特定可能性)を操作した各条件の発話データを得た。これらをさらに材料として得られた知覚(構造解釈)実験結果によると、統語構造の区別に寄与しうる韻律情報の現れ方は、発声者に与えられる視覚的情報のタイプにより、量的のみならず質的に異なることが示唆され、さらに聞き手と話し手の利用する韻律情報の間にも質的な違いがみられた。また、視覚情報の利用のされ方は、第二言語学習者においては、学習言語の運用能力によって異なることもわかった。来年度は、新規購入したアイカメラを用い、アイトラッキングデータを収集・分析予定である。言語刺激が統語的曖昧性を有する場合でも、視覚情報・文脈においてその曖昧性が解消される場合、そうでない場合などの操作を行い、韻律情報にどのように反映されるか、またその際、曖昧性に関する視覚情報がどの程度意識されているかについて眼球運動測定と音声分析を組み合わせた実験を行う予定である。
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