2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700265
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川畑 秀明 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (70347079)
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Keywords | 俳句 / 印象評価 / SD法 / 脳機能 / 共分散構造分析 |
Research Abstract |
本研究課題が目指すのは,美しさ(あるいは芸術作品に対する印象評価)が現れる条件というものが何なのか,またどのような前提が美的判断に正当性を与えるのか』という美学におけるカント問題を心理学および脳認知科学の視点から解明することであり,日本の伝統的文学芸術形式である短歌・俳句の現代作品を題材として取り上げている.3年間で,作品から感じられる「意味」「語感」「音韻」「視覚イメージ]と「美しさ」「面白さ」といった作品評価との関係を,創作熟達者と未経験者の比較を心理と脳活動の2つのレベルから検討する.平成17年度は,まず,俳句の作品評価の際にどのような印象形成が行われるのかについて,自由記述による作品評価から尺度構成を行い,評価に作品としての良し悪しと,用いられる形容詞を整理し,SD法質問紙を構成し,俳句の作品評価質問紙を作成し検討した.最終的に,「評価性」「活動性」「力量性」というこれまで絵画評価に用いられてきたSD法の因子因子構造と同様のものが得られたが,絵画研究とはことなり,それらの因子間の関係に高い相関が認められた.またそれぞれの作品の感覚関連度の評定値と併せて共分散構造分析を行い,俳句の作品評価に及ぼす要因の影響関係を検討した.(加えて,作者ごとの分析,季節をもとにした分析を通して,印象の一貫性の問題についても検討した)さらに,これらの研究結果に基づき,作品評価の脳内基盤について検討するべく,予備実験を開始した.まだ具体的な活動データは得られていないが,平成18年度の中心課題として設定ができ,実験が可能な状態まで準備が完了した.
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Research Products
(1 results)