2005 Fiscal Year Annual Research Report
二重課題の機序解明によるヒト脳内の情報制御システムの理解:脳機能イメージング研究
Project/Area Number |
17700269
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
望月 秀紀 国立精神・神経センター, モデル動物開発部, 研究員 (40392443)
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Keywords | 二重課題 / 情報制御システム / 脳機能イメージング |
Research Abstract |
本研究では、二重課題(2つの異なる課題を同時に行う)の脳内メカニズムを解明することにより、ヒト脳内の情報制御システムの神経科学的理解を目指す。二つの課題を同時に行っているときに脳内ではある一定の規則に基づいて情報処理が行われることがこれまでの心理学的な研究から示唆されている。例えば、ボトルネックモデルやキャパシティーシェアリングモデルなどがある。しかしながら、実際に脳内で起こる情報処理がどのようなメカニズムなのかはほとんどわかっていない。本研究では、脳内の生理活動を非侵襲的に計測することができる機能的磁気共鳴装置(fMRI)や事象関連電位法(ERP)、ポジトロン断層映像法(PET)など脳機能イメージング法を用いることによって、二重課題施行中に脳内で起こる情報処理制御のメカニズムを明らかにする。本年度は、先行研究をもとに二重課題を作成し、健常被験者を対象に心理実験を行った。これまで心理学研究で報告された現象を確認し、脳機能イメージング実験用に二重課題を新たに作成した。作成した二重課題を用いて、課題遂行中の脳内の生理活動を計測するための実験環境のセットアップも行った。脳内で起こる様々な神経活動を反映する微弱な電気信号を頭表から計測するERP実験用に、その計測を可能にするための脳波測定装置や磁気シールドルームの設計・設置などをした。さらに、課題を作成・呈示するためのコンピュータや応答計測装置なども設置し、ERP実験ができるような環境を整えた。fMRIやPETについても同様に二重課題を呈示したり、課題に対する応答を計測したりするための装置の設計・設置などを行ってきた。次年度より、実際に実験データを収集・解析する。
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