2005 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラメトリック時系列解析による新たな脳高次機能ダイナミクス解析法の開発
Project/Area Number |
17700288
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三分一 史和 千葉大学, 工学部, 助手 (30360647)
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Keywords | 多相因子分析 / セミパラメトリックモデル / 外生変数モデル / 脳波 / 機能的磁気共鳴画像法 |
Research Abstract |
本研究は脳の神経活動から機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で計測される血流量変化への応答関数の推定を目的としている。 初年度前半では、研究に必要な計算機、ソフトウエアなどの研究環境の整備を行い、研究方針についてfMRIの専門家らと意見交換を行った。後半ではまず、脳神経の電気的活動を反映している脳波データから特徴的な活動の抽出を行った。脳波は頭皮上に配置された62チャンネルにより、安静と暗算課題遂行の繰り返しタスク下で計測されたもので、これに多相因子分析法を適用し、安静時における後頭葉からのα活動と暗算タスク時の前頭葉からのθ活動など特徴的な活動の抽出を行うことができた。 次にα、θ各々の活動に対応する時系列からfMRIデータへの応答関数の推定を行った。そのために、fMRIデータに関する自己回帰モデル、α、θ活動に対応する脳波データを取り込んだ外生変数変数モデル、さらに外生変数部分に非線形ノンパラメトリック項を組み込んだセミパラメトリックタイプのモデルを考案し、それぞれのモデルの性能を統計学的規準により評価した。脳のどの部位でどのモデルが適当であるかを調べ、脳内で脳波データから線形応答、非線形応答に対応する部位の抽出を行い、本研究の基幹となる部分についての確立を行うことができた。 ここまでの成果については、国際学会Human Brain Mappingで発表を行い、現在は英文論文誌への投稿を準備している。
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