2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工的反応拡散場に基づく分子コンピューティングシステムに関する研究
Project/Area Number |
17700299
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
平塚 眞彦 仙台電波工業高等専門学校, 助手 (80331966)
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Keywords | 分子コンピュータ / 計算機システム / 生体生命情報学 |
Research Abstract |
本研究では,人工的な反応拡散場を利用した新しいコンピューティング/信号処理モデルを検討することを目的とする.これは究極的には人工触媒素子チップにおいて完全並列に実現することを想定するが,用途によっては本研究者らのグループが提案する「ディジタル反応拡散システム(DRDS : Digital Reaction-Diffusion System)」と呼ぶ非線型多次元フィルタの枠組みを利用してシグナルプロセッサ上で実現することも可能である. 上記目的の達成へ向け,本年度は,集積回路工学と計算機科学の両面からの取り組みを並行して実施した. 1.集積回路工学の観点から (1)人工触媒素子そのものを化学修飾されたマイクロ電極デバイスによって実現する方式を検討した.まず可逆なレドックス分子(キノン/ヒドロキノン等)を情報担体として,その生成・消滅をチップ上に集積化された多数のマイクロ電極デバイス(Pt)で制御することにより,目的に応じた反応拡散場をチップ上の微量溶液中に人工的に形成できることを実験的に示した. (2)(1)の結果を発展させ,64個程度の人工触媒素子を2次元配列状に集積化した人工触媒素子チップを試作し,それぞれの素子を外部からプログラム制御するインターフェースを開発した. 2.計算機科学の観点から (1)反応拡散ダイナミクスをテクスチャ生成や画像復元のための多次元フィルタとして利用することに焦点をしぼった検討を行った.このような理論展開のために「ディジタル反応拡散システム(DRDS)」と呼ぶ枠組みを提案した. (2)DRDSに基づく計算機シミュレーションを通して,反応拡散場を利用したアルゴリズムの系統的な設計法や計算能力について実験的に検証した. (3)DRDSを用い,(i)画像の生成・復元,(ii)2次元経路探索,(iii)ボロノイ図生成などのアルゴリズムを検討し,種々の問題への応用の可能性を示した.
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Research Products
(3 results)