2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌に関わるタンパク質CAPS2の解析
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17700322
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
定方 哲史 独立行政法人理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (90391961)
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Keywords | CAPS2 / BDNF / NT-3 / cerebellum / exocytosis |
Research Abstract |
CAPS2(Calcium dependent Activator Protein for Secretion 2)遺伝子のノックアウトマウスの解析により以下のことが分かってきた。(1)小脳のVI葉とVII葉の間の溝が消失する。(2)小脳VI・VII・IX葉の外顆粒層における顆粒細胞のアポトーシスが上昇する。(3)小脳プルキンエ細胞の樹状突起の形成が未熟なものになる。(4)小脳の顆粒細胞の移動に遅滞が見られる。(5)小脳プルキンエ細胞の樹状突起におけるTrk受容体のリン酸化が低下する。(6)小脳顆粒細胞の軸索終末部において小胞の数が減少する。(7)小脳初代培養にいてプルキンエ細胞の生存率が低下する。(8)小脳初代培養において、培養上清に分泌されるNT-3量が低下する(小脳初代培養では野生型においてもBDNFが検出限界以下であるため、比較不可)。(9)小脳プルキンエ細胞に取り込まれたBDNF,NT-3の免疫染色性が低下する。(10)小脳の平行線維/プルキンエ細胞のシナプスにおいてpaired-pulse facilitationが低下する。(11)視機性眼球反応の位相に遅れが生じ、その適応も低下する。(12)小脳性協調運動能が低下する。(13)大脳皮質・海馬においてParvalbumin陽性細胞の数が低下する。(14)大脳皮質初代培養において培養上清へのBDNFの分泌量が低下する。(15)モリス水迷路において学習・記憶障害が見られる。(16)サーカディアンリズムに異常が見られる。(17)ホモの母マウスが子育てをしない。(18)体重が減少する。さらに脳由来神経栄養因子(BDNF)とCAPS2の発現が脳内において、小脳、海馬、大脳皮質、中脳黒質・腹側被蓋野において一致することが分かってきた。
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Research Products
(1 results)