2005 Fiscal Year Annual Research Report
LTP形成におけるシナプス前部・後部の構造変化の解析
Project/Area Number |
17700331
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
梅田 達也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, COE拠点形成特別研究員 (90376723)
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Keywords | 海馬 / スライス培養 / GFP / LTP / 2光子顕微鏡 |
Research Abstract |
神経回路網は外界からの刺激に応じて神経細胞間のシナプス結合を可塑的に変化させて機能していると考えられている。近年、海馬錐体細胞の樹状突起において、LTPのようなシナプス可塑性を誘導する刺激を与えると、シナプス後部スパインのサイズが増大するといった大きな形態学的変化が同時に起こることが複数の研究グループから報告された。研究代表者はこれまで海馬スライス培養におけるCA1領域錐体細胞とCA3領域錐体細胞間のシナプスのシナプス前部・後部構造を同時観察する実験を行ってきた。このテクニックを用いて、このようなシナプス構造の再構築がシナプス前部・後部に渡ってどのように行われているか解析している。 まず、GFPでラベルした樹状突起の近傍をガラス電極を用いて刺激することで同様のスパイン形態変化が起こることを確認した。スパインの形態変化は刺激近傍のみの一部のスパインだけで起こり、しばらくの間増大が持続した。同様の刺激は樹状突起内のカルシウム濃度の増加を引き起こしていた。また、このような形態変化はグルタミン酸受容体を阻害したときには観察されず、シナプス伝達を介して引き起こしたものと考えられる。 現在、シナプス前部構造をローダミンデキストランでシナプス後部構造をGFPでラベルして同時観察しながら樹状突起の近傍を刺激して同様のスパイン形態変化を起こしたときに、シナプス前部・後部構造がどのように変化しているかを解析している段階である。
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