2005 Fiscal Year Annual Research Report
フォークヘッド型転写因子Foxp1の神経系における役割の解析
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17700337
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
久岡 朋子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00398463)
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Keywords | 発生 / 脊髄 / 運動ニューロン / 転写因子 |
Research Abstract |
以前に、in situ hybridization法を用いて、発達過程のマウスの中枢神経系におけるFoxp1のmRNAの発現を検討した結果、胎生期(胎生9.5日、11.5日、13.5日、17.5日)の脊髄において、腹側の前角の一部に限局した発現が認められたことを報告した。Foxp1のmRNAの発現細胞は、神経前駆細胞の存在する脳室帯には認められず、前角のpost-mitoticな運動ニューロンであると考えられたことから、Foxp1に対するin situ hybridizationを行った後に、運動ニューロンのマーカーであるcholine acetyltransferase(ChAT)に対する抗体を用いて免疫染色を行った。その結果、胎生13.5日の脊髄腹側において、ChAT陽性細胞の一部のpopulationにFoxp1の発現が認められた。胎生9.5日から11.5日の脊髄腹側において、脳室帯で運動神経前駆細胞から分化した運動ニューロンは前角へ遊走し、投射する筋の違いにより、内側カラム(Medial Motor Coloumn ; MMC)と外側カラム(Lateral Motor Coloumn ; LMC)に分かれて分布する。MMCは頸椎レベルから腰椎レベルまで見られ、体軸筋及び体壁筋に投射する神経細胞を含み、LMCは上肢と下肢のレベルのみに見られ、四肢の筋肉へ投射する神経細胞を含む。Foxp1のmRNAは上肢と下肢のレベルのみに見られたことから、LMCに発現している可能性が考えられ、LMCに発現しているLIMホメオドメイン転写因子であるLim-1やIsl-1と相互作用することによりサブタイプの分化やその配置、四肢への軸索投射に関与している可能性が考えられる。
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