2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の変性と発生異常を引き起こす新規ショウジョウバエ変異体の解析
Project/Area Number |
17700348
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽根 雅紀 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00397548)
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Keywords | 神経変性 / ショウジョウバエ / 複眼 / 色素細胞 / 空胞変性 / 分化 / 極性 / 神経細胞 |
Research Abstract |
本研究では、研究代表者および共同研究者が最近同定した、アミロイド前駆体蛋白質(APP)と遺伝学的に相互作用をするショウジョウバエ新規遺伝子(yata遺伝子と名付けた)の解析を通じて、発生および神経機能の維持に関わる新しい分子カスケードを明らかにすることを目指した。yata遺伝子のヌル変異体は、複眼および翅などに形態異常の表現型を示すと共に、羽化後早期に死亡する。そこで、yataヌル変異体の複眼における表現型をさらに詳細に調べた。羽化後0日目、および7日目のyata変異体の複眼組織をホルムアルデヒド・グルタルアルデヒド固定液で固定し、四酸化オスミウムで後固定し、脱水後樹脂に包埋し、semithin切片を作成し、トルイジンブルー染色を行って複眼内部の形態を観察した。その結果、yata変異体においては、光受容細胞の分化異常と組織極性の異常が観察された。また、多数の空胞が観察され、複眼神経組織の変性が起きていることが示唆された。また、7日目の方がより多数の空胞が形成されていたため、進行性の変性が生じていることが示唆された。いくつかの空胞には、細胞内の構造体の残存物と思われるものが観察された。さらに、空胞の生じている位置から、色素細胞に顕著な異常が生じていることが示唆された。今回の観察は、white変異のバックグラウンドにて行ったため、現在さらに、野生型のバックグラウンドにおける表現型観察を行っていこうとしている。また、電子顕微鏡レベルでの表現型観察を行っていくことを計画している。
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