2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700366
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 哲也 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70396703)
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Keywords | 神経生理学 / ニューロン / シナプス / 神経終末端 / シナプス修飾 |
Research Abstract |
SNARE蛋白質機能阻害ペプチドを用いたシナプス伝達効率修飾メカニズムの解明 平成18年度は、SNARE蛋白質機能阻害ペプチドを用いたシナブス伝達効率修飾メカニズムの解明ついて、以下の研究を行った。 方法:ラットの脳幹横断スライスを作成し(教室備品:スライサー)、シナプス後細胞と巨大シナプス前末端calyx of Heldを水浸対物レンズ(X63)によって直視下同定の後、電気生理学的記録を行った(備品:正立微分干渉顕微鏡)。シナプス後細胞と前末端から同時ホールセル記録を行い(備品:パッチクランプ増幅欝)、前末端に活動電位を誘発し、後細胞からEPSCを記録した。EPSCの振幅をシナブス伝達効率の指標とした。 シナブス終末端への巨大分子注入の速度と効率の解析 シナブス前末端内に巨大分子を効率よく注入するため、平成18年度は細胞内灌流によって注入される分子の注入量、および注入にかかる時間の定量を行った。終末端パッチクランプ用電極内液の陰イオンを、細胞内潅流により塩素イオンからグルコン酸に置換し、置換にかかる時問及び置換された量を観測した。置換量の同定のため、パッチクランプを適用した終末端にグリシンを局所投与し、終末端グリシン応答の反転電位を経時的に観測した。 グルコン酸注入に伴い、グリシン応答反転電位の速やかな移行が観測され、注入開始1分から2分で、約80%〜90%の分子が置換されることが確認された。本実験により、注入分子の濃度をより正確にコントロールし、定量性の高い実験が可能となった。申詰者はシナプス前末端にピペット内灌流により前終末に直接小分子を注入する方法を用いて研究を行ってきたが、この改良により、巨大分子を速やかに前末端内に負荷することが可能になった。ひきつづき、シナプス伝達効率増強におけるSNARE蛋白質の役割とその修飾機構を明らかにする実験を継続する。
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