2005 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子発現解析とQTL解析を組合せた新規2型糖尿病ラットの糖尿病遺伝子探索
Project/Area Number |
17700375
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
岡村 匡史 国立国際医療センター(研究所), 感染症制御研究部, 室長 (00333790)
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Keywords | LEA / SENDAIラット / 糖尿病モデル / 量的形質遺伝子座(QTL) / DNAマイクロアレイ / 網羅的遺伝子発現解析 / 軽症糖尿病 |
Research Abstract |
LEA/SENDAIラット(以下SENDAIラット)はLong-Evans Agouti(LEA)ラットコロニーから分離した、非肥満とインスリン分泌能低下を主徴とする、日本人ヒト2型糖尿病に酷似した非常にユニークなモデルラットである。SENDAIラットでは加齢と共に、膵島の線維化が雄のみで進行し、経口糖負荷120分後の血糖値が200〜300mg/dlであった。血中のインスリン濃度は有意に低下しており、インスリン分泌不全型の軽症糖尿病を発症することがわかった。まず、膵島を単離する週齢を決定するために、経時的に生化学的解析および膵臓の病理学的解析を行った。その結果、耐糖能異常は若齢(4週齢頃)から雌雄とも見られるが、雄ラット膵島でのみ、10週齢でごく軽度の炎症性細胞の浸潤が見られ、12週齢では軽度の線維化が起こっていた。雄ラットの線維化は週齢と共に進行していた。雌ラットでは耐糖能異常は見られるものの、すべての週齢で膵島の線維化は見られなかった。そこで膵島に病理学的変化が見られない、8週齢の雄SENDAIラットおよび非糖尿病Brown Norway(BN)ラット膵島をコラゲナーゼ法により単離し、Total RNAを抽出後、DNAマイクロアレイ(Affymetrix社、GeneChip Rat Expression Array Set 230)を用いて網羅的に遺伝子発現解析を行った。その結果、SENDAIラットでは約40遺伝子の発現パターンが、有意に増加あるいは減少していた。現在、Ensemble genome databaseを用い、SENDAIラットの耐糖能に関する量的形質遺伝子座(QTL)と、上記増減遺伝子との関連について、解析を進めている。
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