2005 Fiscal Year Annual Research Report
ファージディスプレイ法を用いた機能性分子複合型ハイドロキシアパタイトの創製
Project/Area Number |
17700386
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松野 寿生 東京大学, 駒場オープンラボラトリー, 助手 (50376696)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト粒子 / ペプチド / ファージディスプレイ法 / 特異的相互作用 |
Research Abstract |
本年度は、ハイドロキシアパタイトに結合するペプチド配列を探索するために、ファージディスプレイ法を用いたペプチドライブラリーからのアフィニティセレクションを行った。 焼結法により、形状の異なる2種類(ロッド状・球状)のハイドロキシアパタイト粒子を調製した。これら2種類のハイドロキシアパタイト粒子それぞれを標的とし、M13バクテリオファージ上に提示されたランダムペプチドライブラリーを作用させ、特異的に結合するペプチドを提示したファージプールに濃縮する操作を行った。ペプチドライブラリーはNew England Biolabs社製のランダムペプチド鎖長が7残基または12残基のライブラリーを使用した。濃縮操作では、1)ハイドロキシアパタイトとファージライブラリーのインキュベーション、2)特異性の低いファージの洗浄除去、3)特異性の高いファージの溶出回収、の各段階において、条件(反応時間、反応液量、バッファー種、イオン強度、温度)について検討した。その結果ハイドロキシアパタイトに対し特異性の高いファージプールを得るための諸条件の絞込みができ、各条件で濃縮した約20種類のファージプール得た。しかしながらいずれのプールに関しても特異性は高いものの、結合の強さに関しては、今後の複合材料化に際し必ずしも十分であるとは言えない点もあり、引き続き濃縮操作における条件の改良を進める必要がある。現段階で特異性の確認されたファージプールをもとに、クローニングし遺伝子配列決定を行った。その結果、出現頻度の高いアミノ酸として水素結合におけるプロトンドナーとなりうる側鎖を有するアミノ酸が多く存在することがわかった。しかしながら配列としての相同性はほとんど見られないことが分かった。
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