2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋シミュレータを用いた定量的な薬効予測システムの研究
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17700393
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
皿井 伸明 京都大学, 医学研究科ナノメディシン融合教育ユニット, 科学技術振興講師 (00335259)
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Keywords | 心筋細胞モデル / 薬物作用 / simBio / 生体シミュレーション / 最適化 |
Research Abstract |
前年度までに、JavaとXMLを用いて心筋細胞の数理モデルを作成するプラットフォームであるsimBioの初期バージョンを作成し、モルモット心室筋細胞のシミュレーションを行った。 本年度は、simBioシステムの完成度を高め、研究成果をProgress in Biophysics and Molecular Biology誌に発表すると同時に、インターネット上で公開した。そして、simBioの教本を作成し、共同研究者のみならず一般の研究者に利用を広げうるよう環境を整備した。 また、simBioを用い、単離細胞と乳頭筋の違いを細胞連結や外液還流の違いとしてシミュレーションしたところ、それらによる影響は評価値計算手法の中で処理する必要があることが判明した。僅かな膜電位の違いによりチャネルの活性化・不活性化は大きな影響を受けると同時に各電流成分の変化は活動電位波形を変化させる。そこで各電流成分の変化が、活動電位波形及びその微分値に与える影響を網羅的に調査したところ、各電流成分特有の変化が現れることが確認できた。そこで、それらの成分を分離して評価したところ、遅延整流性カリウムチャネル(IKr)に作用する薬剤の投与前後における活動電位波形変化を入力して、その変化が確かにIKrだけの抑制による物であることが出力として得られた。そこで、この手法に関して特許を出願している。 さらに、変化したパラメータを求める過程で、大量の計算が必要となったので、simBioシステムを分散計算できる仕組みを開発し、多数のモデル計算を同時に処理できるシステムを開発した。
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Research Products
(5 results)