2005 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性高分子薄膜を利用した新規高機能性細胞アレイの開発
Project/Area Number |
17700405
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
秋山 義勝 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 助手 (20349640)
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Keywords | 温度応答性高分子 / 電子線重合法 / 再生医療 / 超薄膜 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究実施計画に基づき研究を行い、その結果、温度応答性高分子をガラス表面上にグラフトし、37℃で細胞が接着し、低温処理により細胞が剥離可能な表面の作成に成功した。以下、研究実施計画書に記載した項目にしたがい概要を説明する。 (1)PIPAAmをグラフトしたガラス表面の評価:仕込みモノマー濃度によりグラフトされるPIPAAm量は変化した。モノマー濃度の増加により、グラフト量は多くなる傾向を示した。UVレーザーアブレーション、AFM、TOF-SIMSの併用により、グラフトした薄膜が3〜10ナノメートル程度の超薄膜であることを明らかにした。さらに、細胞接着性はグラフト量、グラフト膜厚の違いにより大きな違いを示した。0.6〜0.8μg/cm2、グラフト膜の厚みが4.nm程度の厚の場合、細胞は37℃でグラフト表面に接着し、20℃で剥離するが、これよりもグラフト量およびグラフト膜が大きい場合、細胞非接着表面となった。表面濡れ性の結果はこの傾向を支持した。 (2)プラズマ処理の最適化:プラズマにより温度応答性高分子の除去を行なうために、最適化を行った。PDMSを温度応答性ポリマーをグラフト処理した表面に密着させ、プラズマ処理を行い、処理後の表面上での細胞接着性により、高分子領域がどの程度の時間で除去されるかを検討した。処理後の細胞接着性の評価から、5分以上では高分子が除去され、ガラス表面もプラズマ処理により親水性化され、細胞が非接着となることが確認できた。しかしながら、PDMSで表面を密着させた領域も一部、非接着領域となったため、今後、より詳細に本条件設定を検討する必要がある。 (3)プラズマ処理表面の細胞接着抑制のための表面処理:高分子を除去した領域が細胞接着性になると予想していたが、本年度の結果では細胞非接着領域となることがわかった。 (4)ステンシルマスク作製の検討:100μm程度の厚みで、かつ、20-30μm程度のドメイン形状やストライプ幅の形状を有するステンシルマスクの作製が可能な業者を探し、PDMSステンシルの依頼作製を行った。
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Research Products
(3 results)