2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700406
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
植野 彰規 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (20318158)
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Keywords | ウェアラブルセンシング / 容量結合 / Laplacian電極配列法 / 心電計 / 絶縁物電極 / Source Derivation法 / ホームヘルスケア / 無線能動電極 |
Research Abstract |
1.概要 布を介して心電図を導出する技術とLaplacian電極配列法を組み合わせ,小型モジュール単体で着衣の上から心電図を計測し無線送信する,ウェアラブル心電計のための基本技術を検討した.電極および検出回路を試作し,参照心電図に同期した低周波成分の変動の検出に成功した. 2.電極および回路の試作 市販の導電性布を用いてLaplacian型電極を製作した.関電極,アース電極,不関電極の面積を708mm^2に統一し,同心の環状に配置した.電極間距離は11.8mmとした.また,高入力インピーダンス型心電計を試作した.心電計は計装アンプ,LPフィルタ,HPフィルタ(2個),ノッチフィルタ(2個),反転増幅器で構成した. 3.実験および結果 成人男性1名を対象に,試作した電極および心電計を用いて心電図を計測した.被験者には市販のYシャツを肌の上から着用してもらい,胸部ポケット内に電極を設置した.電極の圧着にはストレッチ素材の布を使用した.また,市販の心電計を用いて第1誘導波形を同時に記録した.参照信号の記録は有線の場合と無線の場合の2通りを実施した. 実験の結果,参照信号を有線で記録した場合には,R波に同期してスパイク状の信号が着衣を介して得られた.一方,無線で記録した場合には,T波に同期した低周波成分のみ検出された.これらの結果の違いは,有線の場合にLaplacian電極のボディーアースが参照信号のボディーアースとA/D変換器で共通となり,皮膚から直接ボディーアースを取っていることと等価になったためと考えられる.したがって,今後は参照信号を無線で記録する必要があるとの知見を得た.また,参照信号を無線とした場合の結果より,試作装置の入力容量が大きく高周波域での利得が減衰していることが推察されたことから,今後は装置の入力容量の低減を図り,高周波域での利得を向上する必要があるとの知見を得た.
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