2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700407
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
椿井 正義 独立行政法人産業技術総合研究所, 実環境計測・診断研究ラボ, 産総研特別研究員 (70367118)
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Keywords | 超音波画像 / 画像強調 / 形状特徴 |
Research Abstract |
1.形状特徴を利用した画像強調 生体超音波画像を処理対象として,組織境界等の輝度コントラストを強調して画質を改善する手法を議論した.形状特徴を利用する画像処理手法であるモルフォロジーに2重構造要素を導入した.提案手法によって,2重構造要素の形状や大きさに合致する画像中の成分はそのエッジが強調される.合致しない成分は元のまま保存される.2重構造要素をスペックルの粒の空間的な広がりを覆える広さに設定すれば,スペックルを強調せずに,画像の輝度コントラストを向上できる. 2.高速演算アルゴリズム 構造要素を分解して,より小さい画素数の構造要素同士によるdilation演算結果の形式で表現できれば,演算の連鎖則を利用して計算量を低減できる.しかし,2重構造要素の濃淡値は空間座標ごとに異なるので,一般には分解不可能である.研究代表者は分解可能となる2重構造要素の設定方法を示した.これを3次元画像へ適用すれば,計算量をL×M×NからL+M+Nへ低減できる.L,M,Nは正の整数であり,3次元空間内での構造要素の幅に対応する. 3.実験 超音波計測装置をパーソナルコンピュータ(PC)に接続し,オンラインで画像強調処理を実行した.超音波計測装置からは122×320画素の2次元断層像が出力され,6.4frames/sでPCへ転送された.画像強調をPC上で動作するソフトウェアによって実行した結果,5.8frames/sで動画像が更新された.使用した構造要素は9×5画素の長方形であり,その大きさは画像の空間分解能を基に決定した.実験ではクロック周波数1.2GHzのCPUを搭載した一般消費者向けのPCを使用した.処理結果画像において,組織境界の輝度勾配が急峻になり,画像の視認性が向上した.境界の近傍でオーバーシュートやリンギング等のアーチファクトは発生しなかった.スペックルは殆んど強調されなかった.
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Research Products
(1 results)