2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化LDLが個々の単球の浸潤及び内皮細胞VE-cadherin動態に及ぼす影響
Project/Area Number |
17700411
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80341080)
|
Keywords | 動脈硬化 / 単球 / 血管内皮細胞 / 酸化LDL / VE-cadherin / PECAM-1 / 循環生理学 |
Research Abstract |
動脈硬化初期過程におけるこれまでの我々の研究から,酸化LDLは血管内皮に接着した単球の浸潤開始に至るまでの内皮上でのダイナミクスを特異的に促進するが,一度浸潤を開始した後のダイナミクスには影響を及ぼさないことが明らかとなった.我々はこのような酸化LDLの特異的な作用が如何なる機序で起こっているのかを解明する為,生細胞における3種類の異なる分子の同時染色というストラテジーを用い,リアルタイム観察による直接的な実証を試みた.本年度は,3種類のターゲット分子((1)酸化LDL:蛍光色素TRITC,最大蛍光波長:約570nm,(2)内皮細胞間隙VE-cadherin or PECAM-1:蛍光色素FITC,最大蛍光波長:約520nm,(3)単球CD14(蛍光色素:Alexa633,最大蛍光波長:約650nm)を生細胞において抗体標識し,現有の共焦点レーザー顕微鏡にて3次元観察を行う為の最適な条件設定を探求した.特に,VE-cadherin及びPECAM-1の抗体による標識は単球が内皮間隙を浸潤する際の障害になる可能性がある為,代替手法として,当該分子の細胞内ドメイン(C末端)に蛍光タンパクGFP又はDsRedを付加した融合遺伝子を発現ベクターに挿入して内皮細胞に導入し,GFP付加融合タンパクを発現させる系を構築した.これにより,生細胞において単球-内皮間の相互作用を邪魔せずに直接3次元観察が可能となった.また,酸化LDLが内皮細胞に作用する際の受容体として働くと考えられているLOX-1を阻害した場合の単球ダイナミクスについても詳細な検討実験を行っている.
|