2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700417
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中西 淳 独立行政法人物質・材料研究機構, 若手国際研究拠点, 主任研究員 (60360608)
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Keywords | 細胞接着 / ケージド化合物 / 自己組織化単分子膜 / 細胞回収 / 蛍光顕微鏡 / アドレナリン受容体 / クローニング |
Research Abstract |
本研究では,細胞を用いた遺伝子クローニングを行うべく,細胞集団の中から特定一細胞を光単離する方法の開発を目指している.本年度は,以下の研究を行った. 1.細胞の光剥離法の開発 金基板上に光分解性基を介して末端に活性エステルを有するチオールの単分子膜を形成させた.活性エステル基にビオチンアミンもしくはエチレングリコールモノアミンを結合させた後,縞状に光照射を行った.それぞれの基板に対し,アビジン標識ビーズおよび蛍光標識蛋白質を作用させたところ,光照射領域ではこれらのアミンが解離していることが分かった.このことから,細胞膜上のインテグリンと相互作用するRGDペプチドをアミンとして用いることで基板上に接着した細胞を光剥離できると予想され,現在その検討を行っている. 2.細胞の選択的増殖法の開発 光分解性基によってカルボキシル基を保護した化合物で表面修飾したガラス基板をアルブミンなどのブロッキング剤を吸着させることで,光照射領域に選択的に細胞を接着させることができる.この基板上にパターン化したHEK293細胞に対し,その周辺領域を光照射したところ,光照射依存的に細胞増殖を誘導できた.同様のことは一細胞アレイ上でも実現可能であった.1で述べた細胞剥離とは別の戦略として,狙った一細胞を選択的に増殖させ,不要な細胞の増殖を抑制することでも細胞単離が可能であると考えられ,現在,この戦略の検討を行っている. 3.クローニング対象遺伝子の選別法の開発 タグ配列を有するアドレナリン受容体を数種類作成し,タグ導入位置とタグを色素標識した際の蛍光応答との関係を解析した.アドレナリンに対する蛍光強度変化はタグ導入位置に大きく依存していた.このことから,任意の位置にタグを導入したライブラリーの中から,蛍光強度を指標にアドレナリンに対して高感度に応答する遺伝子を選別できることが分かった.
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Research Products
(3 results)