2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん病理組織検査におけるホルモンレセプター自動定量化のための画像処理技術の研究
Project/Area Number |
17700420
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
野坂 大喜 弘前大学, 医学部, 助手 (80302040)
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Keywords | 病理自動診断 / 乳がん / 免疫組織化学染色 / ホルモンレセプター / 画像処理 |
Research Abstract |
1)乳腺組織標本におけるがん細胞と正常乳腺細胞の分別技術および関連画像処理技術の研究 ホルモンレセプター検査では乳腺の病理標本上で、本年度は乳がん細胞と正常乳腺細胞を分別し、乳がん細胞だけを計測対象とする必要があることから、過去の病理標本を対象として乳がん細胞と正常乳腺細胞の面積・周囲長・直径・短径・重心等を計測し、客観的に細胞を見分けるための形態ファクターを導出した。面積・周囲長などのファクターは組織の固定状態によって大きく変化し、理想的条件下でなければ、面積・周囲長・直径・短径・重心等のファクターによる正常細胞との分別は困難であることが判明した。そのため組織配列をファクターとして検討を加え、臨床応用時への対応方法を探る必要がある。また、今回の画像処理手法ではRGB分解後の2値化画像を用いていたが、共染の影響を受けやすいことから、カラー情報を基とした画像処理アルゴリズムへの応用化についてが今後の研究課題となる。 2)乳腺組織標本における乳腺細胞と他の細胞(白血球や間質細胞等)の分別技術および関連画像処理技術の研究 乳腺細胞と他の周辺細胞との分別において腫瘍細胞については個体差や組織型による格差はあるものの各面積などの一部のファクターは一定の範囲内に収束することが判明した。本データを基に乳腺以外の細胞についてはほぼ対象外とすることが可能であることが明らかとなったことから、今後の研究において組織型別のファクター導出を試みる必要がある。 3)陽性・擬陽性細胞の分別技術および関連画像処理技術の研究 陽性・擬陽性細胞の分別については画像処理技術データでの分別はほぼ困難であることが判明した。そのため、擬陽性症例等を分別する手法としてコントロールなどを指標とした画像処理単独手法ではなく染色技術も加えた研究が課題となった。 現時点で約10〜20%前後の乖離があるため、精度向上が必要である。
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