2007 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ光回折法に基づいた血液粘性の非侵襲観測法に関する研究
Project/Area Number |
17700428
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 隆幸 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 助教 (90326017)
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Keywords | 血液粘性 / 赤血球の凝集 / レーザ回折法 / 音響的手法 |
Research Abstract |
血液粘性の上昇は赤血球の凝集現象によって引き起こされることが知られている。これまでの採血による測定では患者への負担だけでなく,実際の人体内の赤血球凝集体直径がしばしば注射針の内径を上回ることから,被検体の状態を変容させる恐れがある。日常的なセルフチェックが望ましい指標であることからも,非侵襲的な測定が実現されることが強く望まれる。 これまで光学的手法による測定法を検討してきた。しかし,生体組織における光の強散乱特性に由来して,測定範囲が極めて浅部に限定されるという問題に至った。非侵襲的に血液内情報を得るためには,少なくとも皮膚-血管壁という生体組織を経なければならない。 このため,測定を音響的手法に切り替えるための測定システムの変更を検討した。組織からのエネルギー反射散乱のパターン解析によって粘性推定を行うという原理には変更はない。しかし,音響的手法とするために信号取得ツ-ルを超音波センサアレイとし,血流の上流及び下流にセンサを配置する必要がある。これに従い,多チャンネル信号の高速処理システムを構成した。また実験を重ねていくために必要な血液試料については,光学的な疑似生体組織ではなく,音響的特例を疑する必要がある。このため種々の食糧粉の中で,吸水後サイズが赤血球により近くなるものを選定した。そして,疑似血液中の吸水後固形成分が40%(=血液中の赤血球割合)となるような試料を調整した。この血液試料を疑似血管とするシリコンチューブ内に満たし,超音波センサアレイの配置について検討した。つまり,センサの並び方向と流れ方向の角度を平行とするか直角とするかという問題である。現在のところこの角度を直角としているが,信号取得システムが高速化された場合には並行とすることによって情報取得が広範囲となり,確度の高い粘性推定が可能となると考えられる。
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