2005 Fiscal Year Annual Research Report
腹腔鏡手術における遠隔手術トレーニングを可能とするための触覚伝送機能の開発
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17700430
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 薫之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20338908)
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Keywords | コンピュータ外科 / 遠隔手術シュミレーション / 触覚提示 / コンピュータネットワーク |
Research Abstract |
本年度では,軟組織モデルsphere-filed modelを搭載したロボット手術(da Vinci)トレーニングのための手術シミュレーションシステムを用いて,遠隔地でのリアルタイム情報処理とリアルタイム触覚提示を可能とするためのシステム開発を行った. 本遠隔手術シミュレーションシステムはサーバークライアント型での通信とし,クライアント側には通常のパーソナルコンピュータと2台の触覚提示装置を用い,触覚提示装置の位置情報や鉗子開閉に関するイベント情報をサーバ側へ送信することとした.サーバ側では受信した位置データをもとに,スーパコンピュータを用いて,臓器と鉗子との高速干渉判定計算,臓器変形に関する演算ならびにフォースフィードバックパラメータを演算し,クライアント側に送信する通信機構とした.クライアント側はサーバから受信したデータをもとに,触覚提示,臓器モデル変形処理およびシミュレーション画像更新処理を行うこととした. 本通信処理システムにて,九州大学(福岡県福岡市)の協力により,九州大学と慈恵医大(東京都狛江市)を既存のインターネット回線を用いた光ファイバー通信による遠隔手術シミュレーション実験を行った.実験では,サーバ,クライアント側双方でのシミュレーション状況を同一にするために,TCP/IPプロトコルによる通信を行った.その結果,ネットワーク遅延時間は往復約30ms.であったが,クライアント側での画像更新速度は約25Hz,触覚提示更新速度は900〜1,000Hzを維持することが可能となり,ネットワーク遅延時間から計算される理論的更新速度に近い速度でシミュレーションを実行することが行えるようになった.
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