2005 Fiscal Year Annual Research Report
極微量血液採取のためのダイアフラム型形状記憶合金マイクロアクチュエータの開発
Project/Area Number |
17700431
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
槌谷 和義 東海大学, 工学部, 講師 (50399086)
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Keywords | Bio-MEMS / マイクロ針 / 形状記憶合金 / 血糖値 / 酵素固定化 / TiNi / スパッタリング / 実験計画法 |
Research Abstract |
本研究では,外径100μmおよび内径50μmを有するマイクロ針から0.5μlのヒト血液が吸引可能な携帯型血液採取法マイクロポンプ,および血中の血糖値測定用センサの開発を目的とし,以下の3テーマについて研究を行った. (1)マイクロポンプ用形状記憶合金(SMA)の設計には,比較的少ない実験回数により有意な条件の探索が可能な実験計画法を用いて,SMAアクチュエータの切り込み本数,針の長さ,内径について最良な設計因子の探索. (2)より優れた特性を有するMEMS用TiNiマイクロアクチュエータ薄膜を創製するために,イオンスパッタ堆積法(ISD)を用いて形状記憶特性に大きな影響を与える薄膜中の組成に注目し,その薄膜作製方法として薄膜中の組成に影響を及ぼすTiNi薄膜創製条件の探索. (3)小型化,高精度化を目指したバイオセンサの開発を目的とし,架橋法によって白金電極にGOxを固定化したMOSFET型グルコースセンサの開発. その結果,以下の知見を得た. (1)マイクロ針と形状記憶合金を用いた血液採取用マイクロポンプの最良設計因子を探索するために実験計画法を用いて,その条件探索を行った結果,体積流量に対して,針の内径,長さに関して大きな寄与率を示し,特に内径が50%の寄与率を示した. (2)薄膜中の組成に関して,ターゲット面積が99%で有意で,寄与率が88%であった.Ti面積比が75%,加速電圧2000eVでArガス流量0.8sccmの条件がTiNi薄膜創製の最良条件であることがわかった. (3)センサ電極に白金を用い,希釈溶液として生理食塩水を用いた場合,グルコース濃度の増加に対し,出力電圧が線形的に増加した. (4)浸漬法に比べて滴下乾燥法の方が50%以上感度がよく,BSAを用いないほうが20%程度高感度の測定が可能である.
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Research Products
(4 results)