2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオンマイクロサージャーリー用リアルタイム3次元線量計測法に関する研究
Project/Area Number |
17700432
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
及川 将一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 放射線高度利用施設部, 協力研究員 (10391301)
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Keywords | 加速器 / 放射線、X線、粒子線 |
Research Abstract |
本年度は、検出器系と計測回路系の多段化に関する整備を行い、MeV級イオンのエネルギーロスに対応する2次元発光強度分布の多段同時計測に関する研究を進めた。 1.検出器系の多段化に対応するため、前置増幅器、主増幅器および波高弁別器等の計測回路系の整備を実施した。 2.ポリビニルトルエン系プラスチックシンチレータ(t=20μm)の発光を側方から検出するために、前年度設計・試作したUVTアクリル製ライトガイド・光電子増倍管アッセンブリを、多段化に対応したものに改良した。また、検出器系を積層して固定するために、既存のビームラインに簡便に増設可能で真空導入に対応したチェンバーの設計・製作を行った。 3.上述の多段発光検出システムと計測回路系の動作確認・検証実験を、3MVシングルエンド加速器に接続した軽イオンマイクロビーム装置を利用して行った。実験では、1μmに集束した3MeVのH^+ビームをアクリル製飛程調節器上に走査(50-100μm^2)しながら照射し、透過したイオンを飛程調節器後方に設置した2段の発光検出器にて検出した。この時、イオンのエネルギーロスに対応した発光信号を2段同時計測することに成功した。 4.3.で計測された発光信号を処理し、ビームの走査位置情報に従ってマッピングすることにより、2段分の2次元発光強度分布を計測した。この2つの2次元発光強度分布を比較すると、発光強度が高い領域において、ビームの飛程を反映して異なった2次元分布画像が得られた。
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