2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胚性幹(ES)細胞を用いたトキシコゲノミクス解析方法の確立と新薬開発への応用
Project/Area Number |
17700433
|
Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
美留町 潤一 国立成育医療センター(研究所), 薬剤治療研究部, 共同研究員 (00347543)
|
Keywords | 胚性幹(ES)細胞 / EST法 / トキシコゲノミクス |
Research Abstract |
I.マウスES細胞によるトキシコゲノミクス解析方法の確立(EST法) EST法は、ES細胞が特別な誘導を行うことなく自然に心筋細胞に分化するという特性を利用した評価方法である。ES細胞を培養する際、薬物を加えることにより、心筋細胞への分化障害を指標としている。マウスE14細胞株を用いて薬物によるES細胞分化抑制効果を検討した。【方法】解析を行う化学物質・薬物を縣濁した試験液にE14細胞を調整し、ディッシュの蓋の内面に細胞縣濁を60〜70滴置き、3日間縣滴培養(hanging drop法)し、胚葉体(embryoid bodies, EBs)を得た。新たなディッシュに集めて2日間培養し、成熟させたEBsをマルチプレートの各ウエルに1個ずつ移し、各試験液で静置培養した。5日間経過後に倒立位相差顕微鏡にて各ウエル毎の心筋細胞の鼓動の有無を調べた。E14細胞の分化度は、細胞の鼓動を認めたウエル数の割合を算出し、各濃度段階の値からID_<50>を求めた。【結果】本試験法により、催奇形性が知られている抗てんかん薬等による毒性が確認され、毒性評価に有用であることが示唆された。Embryonic Stem Cell test(EST法)による薬物毒性評価、平成17年10月、第32回日本小児臨床薬理学会で発表した。 II.ヒトES細胞を用いたEST法の開発および化学物質・薬物の毒性評価 マウスES細胞の替わりにヒトES細胞を用いてEST法の開発を計画中である。まず、ヒトES細胞の使用にあたり、倫理委員会に使用申請中である。
|