2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17700450
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
森 直樹 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助手 (40325949)
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Keywords | 重症心身障害児(者) / 呼吸機能 / 脊柱変形 / 胸郭指標 / 栄養指標 |
Research Abstract |
重症心身障害児・者35名を対象に、呼吸機能測定、脊柱変形評価(Cobb angle:CA,Rotation:Rot)、胸郭評価(胸矢状径、胸示数など)、栄養評価(BMI、体脂肪率、食物形態)を各々試行し、相互の関連について解析を試みた。その結果、脊柱変形(CA、Rot)と一回換気量(以下TV)との間に負の相関(CA:r=-0.40,p<0.01,Rot:rs=-0.59,p<0.01)、呼吸数との間に正の相関(CA:r=0.67,p<0.01,Rot:rs=0.56,p<0.01)が認められた。また、胸郭指標と呼吸機能との関連ではTVとの間に正の相関が認められた(胸矢状径:r=0.46,p<0.01,胸示数:r=0.40,p<0.01)。更に、運動機能を2群(寝返り可能群:Ro群、寝返り不能群:Ro(-)群)に分類したところRo(-)群はRo群に比べ、TVは有意に低値を(p<0.01)、呼吸数は有意に高値を示した(p<0.05)。重症児・者の呼吸機能障害は胸郭・脊柱変形が重症であるほど拘束性換気パターンが顕著であり、寝返り不能群は拘束性換気障害が顕著であった。栄養指標と呼吸機能との関連においては、BMIとCAとの間に負の相関(r=-0.40,p<0.01)、あるいはRotとの間に負の相関が認められた(rs=-0.44,p<0.01)。一方、体脂肪率と呼吸機能との間には相関は認められなかった。対象児(者)の食物形態別では、呼吸数に有意差は認められなかったが食物形態の軟性度が増すほどTV、分時換気量(MV)は有意に低値を示した(TV:p<0.05,MV:p<0.05)。これらの結果より、重症児(者)の呼吸機能障害は多因子で構成され、胸郭・脊柱変形、運動機能、栄養指標などと相関することが示唆された。本年度は、現在解析中でもある睡眠時無呼吸及びCT所見などの評価を進める一方で、次年度にかけてコントロール群の評価、解析を進める。
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