2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700450
|
Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
森 直樹 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (40325949)
|
Keywords | 重症心身障害 / 呼吸機能障害 / 脊柱・胸郭指標 / 姿勢・運動パターン |
Research Abstract |
重症心身障害児・者(以下、重症児)31名を対象に胸郭下角(Infrasternal angle : IA)を施行し、呼吸機能、脊柱変形指標(Cobb angle : CA, Rotation : Rot)及び胸郭指標(胸矢状径、胸示数など)との相関について解析した。その結果、IAと一回換気量(以下TV、 TV/h)との間に負の相関(r=-0.45,P<0.01)が認められた。また、IAと呼吸数(以下、f)との間に正の相関(r=0.51,p<0.01)が認められた。更に、IAと脊柱変形指標との間に正の相関が認められた(CA : r=0:63,p<0.01、Rot : r=0.62,p<0.01)。しかし、IAとその他の胸郭指標(胸矢状径(胸郭前後径、胸幅、胸郭周径、胸示数(胸郭扁平示数)との間に有意な相関は認められなかった。また今回、重症児の頚部回旋変形(Neck Rotation deformity(以下NR)の有無)、異常姿勢パターン(Windblow deformity(以下WD)の有無)が呼吸機能に与える影響についても検討した。その結果、頚部回旋変形が顕著であるほど、またWDが顕著であるほど有意にTVは有意に低値(NR : P<0.01,WD : P<0.01)を示し、fは有意に増加した(NR : P<0.01,WD : P<0.05)。昨年度の研究結果もふまえ、重症児(者)の呼吸機能の変化に寄与する要因の強さを検討すべく多変量解析を試行した。従属変数をTVとあるいはf、相関が有意であった変数(CA、Rot、胸矢状径、胸示数など)を独立変数とし、重回帰分析を試行した。TV、 fとも、CAのみが独立した寄与因子として有意であった(TV : r=-0.62, p<0.05,呼吸数:r=0.63,p<0.05)。さらに、有意な関連のあった「運動機能」、「頚部回旋変形」、「異常姿勢」のノンパラメトリックの各変数をダミー変数に変換する方法で前記の独立変数に加えて重回帰分析を行った結果、CAに加え新たに「運動機能」が独立したTVに対する寄与因子であることが判明した(r=-0.43,p<0.05)。呼吸数が従属変数の場合には「運動機能」は寄与因子として統計的に有意ではなかった。昨年度実施予定であった軽度脳性麻痺群の呼吸機能評価にいては脊柱変形(側彎など)を合併しない事例が少なく数例の施行で終了している。
|
Research Products
(1 results)