2005 Fiscal Year Annual Research Report
咳分析による、脳血管障害患者の咽喉頭機能の評価・誤嚥性肺炎のリスク評価
Project/Area Number |
17700454
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村岡 香織 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40327648)
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Keywords | 脳血管障害 / 嚥下障害 / 咳分析 |
Research Abstract |
1.嚥下内視鏡検査と、咳分析の予備研究 喉頭内視鏡に、微差圧変換器を取り付けた測定機器を作成した。いくつかのプローベやセンサー(スパイロメーターや圧力センサー)で、呼吸・嚥下・咳の各動作を分析したところ、内視鏡に附属させることができ、もっとも適切に気圧の変化が検出できる測定機器として微差圧変換器が有用であることがわかった。さらに画像と圧波形の時間的対応が正確にとれるようにマーカーを工夫した。この装置により、咽喉頭の動きを内視鏡を用いて観察しつつ、微差圧変換器で呼吸・嚥下・咳といった動作を機能的に分析することが可能であった、健常ボランティアにこの装置を用いて嚥下・咳の動作を観察・分析したところ、(1)嚥下・咳と呼吸位相の関係 (2)咳の強さ(圧)と咽喉頭の動き(画像)との対応が得られた。 2.脳血管障害患者を対象とした、咳分析の妥当性の検討 上記の測定機器を用い、嚥下障害を疑わせる何らかの所見のある脳血管障害患者を対象として検査を実施した。平成17年度までには、患者2名でデータが得られている。嚥下内視鏡検査では、咽頭内の唾液の貯留や、検査食物嚥下後の咽頭内残留・喉頭内侵入(誤嚥)など定性的な評価しか得られないが、呼吸と嚥下との関係や咳(むせ)の定量的分析が可能となった。この装置における咳の気圧の正常値の設定には、さらに多くの健常老人などのデータが必要と考えられるが、唾液の貯留の多さと、咳の圧の低さは関係するようである。今後、さらにデータを蓄積していく予定である。
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