2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオメカニクス・筋電図融合型の動作解析による歩行補助車の設計
Project/Area Number |
17700459
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
高野倉 雅人 神奈川大学, 工学部, 助手 (00333534)
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Keywords | 歩行補助車 / 高齢者 / バイオメカニクス / 筋電図 / 床反力 / ハンドグリップ / 荷物運搬 / 下肢 |
Research Abstract |
高齢者の歩行動作を支援する器具のひとつである歩行補助車は、自立歩行の可能な高齢者が歩行補助や荷物運搬や休息に用いる車である。本研究は歩行補助と荷物運搬の機能に着目し、バイオメカニクスと筋電図学との観点から歩行補助車を使用した動作を分析して、人間工学的に優れた歩行補助車のデザインを提案することを目的とする。 平成17年度は試作機を製作し、ハンドグリップの高さと車体の奥行きの影響について検討した。ハンドグリップの高さは0.6〜1.2mの4段階、車体の奥行きは0.4〜0.8mの3段階とした。歩行路の上を定常歩行する際の、車輪とハンドグリップとに作用する力、および下肢筋群(大腿四頭筋、ハムストリング、前脛骨筋、腓腹筋)の表面筋電図を測定した。男子大学生8名と70〜72歳の高齢者4名とを対象に実験を行った。ここでは高齢者の結果について報告する。 ハンドグリップを低くすると、後輪に作用する力の鉛直成分が大きくなった。ハンドグリップを押し下げる力は、高さ0.6mのときに最も大きくなった。高さ0.8mのときに前脛骨筋と腓腹筋の筋電位が、高さ0.6mのときに大腿四頭筋とハムストリングの筋電位が最も小さくなった。これらの結果から、ハンドグリップを低くすると、使用者がハンドグリップを強く押し下げて体重の一部を歩行補助車に支持させることができるため、下肢の負担が軽くなり、下肢筋群の筋電位も小さくなることがわかった。しかし、低くしすぎると上肢の負担が重くなることから、使用者の身長などにも依存するが、ハンドグリップの高さは0.8m程度が適切であることがわかった。車体の奥行きに関しては、歩行補助と荷物運搬との両者を重視する場合は、0.4〜0.6mの奥行きが適切であることがわかった。 平成18年度は、引き続き高齢者を対象とした実験を行い、高齢者の身体機能に適応した歩行補助車のデザインについて研究する予定である。
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Research Products
(3 results)