2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700465
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
新川 拓也 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 講師 (50340641)
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Keywords | 感性情報学 / 計算機システム / 電子デバイス・機器 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究では、四肢、頭部および頚部の運動機能を用いずとも演奏できる電子楽器の開発を目的としている。楽器演奏の際に使用する四肢に代わる部位として、本研究では舌や顎の運動機能を用いることを提案した。これらは、発話や嚥下時における巧みな運動が可能であり、その繊細な動きを利用したヒューマンインターフェースの可能性も従来から指摘されている。したがって、楽曲演奏のような複雑な動作への対応も例外ではなく、十分期待できると考えられる。本年度で得られた研究成果は次のとおりである。 1)口腔の運動機能を用いたヒューマンインターフェースの設計 下顎運動と舌運動を併用した独立2系統の入力を有するヒューマンインターフェースを設計し、装着試験を行った。その結果、口腔内にインターフェースの一部が存在した状態でも呼吸、唾液嚥下動作などを妨げないことを確認し、良好な操作性を有することを示した。また、本インターフェースとPCからなる日本語入力装置を開発し、その入力試験を行った。健常者2名で試験を行った結果、日本語ひらがな1文字の入力に要する時間は、一般的な視線入力装置と同等であることを確認し、一定の有用性を示した。 2)電子楽器演奏装置の開発 1)で開発したヒューマンインターフェースを用いて、PCを用いたMIDI対応の電子楽器演奏装置を開発した。本装置は、下顎運動で音程の制御を行い、舌運動で発音を行う。本装置を用いて被験者に「きらきら星」を演奏させたところ、数回の練習の後、演奏可能であることを確認した。
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