2005 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄神経回路網の賦活による正常歩行の再獲得-健側機能フィードバック歩行機器開発-
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17700467
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
三好 扶 芝浦工業大学, 工学研究科, ポスドク研究員 (10392193)
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Keywords | 歩行装具 / 脊髄神経回路網 / リハビリテーション / フィードバック制御 / 歩行トレーニング |
Research Abstract |
本研究では、脊髄神経回路網を積極的に賦活し、正常歩行の再獲得が可能となる歩行トレーニング機器開発と題し、脳卒中患者を対象に、健側の下肢関節運動を患側へフィードバックする装具の開発を行う。本年度は、患側の股関節歩行動作を補助できるよう、補助トルクを発揮できる機構を設計開発した。ハードウェア面では、機構のコンセプトとして、1)可能な限り外見をシンプルにする、2)省スペース化、3)軽量化を採用した。本コンセプトを実現するため本年度は電気アクチュエータとタイミングベルトを用い、この結果、全幅:(装具最大幅+90mm)、重量:(装具重量+2.0kg)が実現できた。ソフトウェア面では、ヒトの持つ1/f揺らぎを実現するため、健常成人男性を対象に、時速2km/h下でのトレッドミル歩行を実施し、関節角度変化および歩行周期の揺らぎを測定した。この結果、ヒトの歩行運動中における関節角度変化・歩行周期の1/f揺らぎは高々20歩程度によって記述できることがわかった。この結果を基に、健側20歩分のデータから自己相関モデル(ARモデル)によって患側歩行動作を再現する制御アルゴリズムを構築した。 また、本研究から派生的に得られた点は、歩行運動中の関節角度変化に関する1/f揺らぎにある。従来は、歩行運動中の歩行周期に関する1/f揺らぎについての報告のみであり、関節角度変化についての報告はこれまでにない。この点については詳細な検討の余地も残るが、ヒト歩行運動中の時系列データ解析に関する新たな一面を提供できると考えられる。
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Research Products
(1 results)