2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・弱視者のための歩行用視覚情報提示法に関する研究
Project/Area Number |
17700468
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 納奈 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (80392588)
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Keywords | 眼球運動 / 視野制限 / 高齢者 / ロービジョン / 歩行 |
Research Abstract |
本年度は、歩行時の視覚情報受容の基礎特性に関する予備調査および関連装置購入・設定を行った。 (1)歩行時の視覚情報受容の基礎特性予備調査 通常の廊下や屋外通路及びび情報を制限された部屋(白色のみ)において歩行時の眼球運動や顔を向ける方向について予備調査を行った。通常の廊下においては、様々のものに視線を向けることができる視覚障害のない高齢者は、視覚的な情報がほとんどない部屋では、位置関係が把握しにくくなり、その結果床や壁、天井など手がかりを探す、視線の移動歩行速度が遅くなる、視線が下向きとなるなどの行為が観察された。これらのことは環境内の照度の違いにも影響することがわかった。またロービジョン者は、視野欠損部位(中心視野部分及び周辺視野部分)の違いにより、歩行時の視線の向きや注視箇所が変化することがわかった。従って上記の調査より、情報提示における環境内の条件、及び眼球運動に影響する視野範囲についての有効なデータを得た。 (2)実験用環境整備 上記の結果より、次年度に行う歩行者への情報提示の検討において視野機能と関連付けた情報提示を行うため、歩行時の眼球運動測定装置と連動した視野制限を任意の範囲で調整する必要があることが明らかとなったため、視野制限装置を特注し、本研究用に設定した。本装置は、歩行時の視野の部位別機能特性及び情報受容範囲を明らかにするために、歩行しながら特定の視野範囲を制限する、または視野の特定部位に刺激を提示する装置として使用する。
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