2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現解析による自発活動性を制御する脳機能の解明
Project/Area Number |
17700474
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉里 秀雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (40303721)
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Keywords | 遺伝子 / 脳機能 / 自発活動 / 運動 |
Research Abstract |
目的:最近我々は自由回転ケージを用いた独自の方法で、実験動物(ラット)の自発活動量ならびに活動パターンに明らかな違いが生じる同系同姓のラットを見出してきた。 今回、我々はこの独自のモデル動物から得られたメッセンジャーRNAからDNAマイクロアレイ(Gene Chip)を用いて遺伝子発現解析することで脳内の発現差異のある遺伝子を網羅的に調べると共に自発活動性を制御する遺伝子群を同定し、この脳機能のメカニズムを解明することを目的とした。 方法:8週齢のウイスター系雄ラット(40匹)を輪回し数(自発活動量)を経時的にカウントできる自由回転ケージを用いて6週間飼育し、自発活動量およびパターンを自動計測モニターによって測定/解析を行った。飼育開始2週間後から6週間後の4週間での1日当たりの平均活動量を個体間で比較し高・中・低活動群に分け、脳組織から得られたメッセンジャーRNAからDNAチップ(Affymetrix社製)を用いて高活動群と低活動群で発現差異のある遺伝子を検出した。 結果:全体の1日平均活動量は約3400mであり、分散分析の結果から平均値より2600m多い6000m/Day以上活動する個体を高活動群とし、1900m少ない1500m/Day以下の個体を低活動群とすることで統計学的に差のある高・中・低活動群に分けることができた。DNAマイクロアレイ(Gene Chip)を用いて高活動群と低活動群で発現差異のある遺伝子を検索した結果、高活動群で増加する28個の遺伝子と減少する14個の遺伝子が見いだされた。 現在、この結果を追試すると共に差異のあった遺伝子についてノーザンブロット法または定量的RT-PCR法を用いて発現差異を再検証中である。同定された遺伝子のアノテーション解析等は当初研究計画予定通り、次年度に行う予定である。
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