2005 Fiscal Year Annual Research Report
高次機能が関わる眼球運動の反応時間の頸部前屈姿勢保持による短縮と皮質情報処理様相
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17700477
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
国田 賢治 大阪市立大学, 体育学研究室, 講師 (20316003)
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Keywords | 眼球運動 / 反応時間 / 覚醒 / 磁気刺激 / 干渉 / 頚部 / 姿勢 / 脳 |
Research Abstract |
目的:判断の機能が大きく関わる眼球運動の一つであるアンチサッケードの反応時間の頚部前屈姿勢保持に伴う短縮の様相について検討した。 測定1:被験者は、成人10名からなる。安静頚部姿勢の条件と20度の頚部前屈角度を保持した条件(頚部前屈姿勢保持条件)にて、以下のサッケード課題を行った。 アンチサッケード課題:固視中心点点灯後、その点が消灯するまでの時間を2〜4秒とする。中心点消灯後、側方の視標がすぐに点灯する。視標の位置とは反対側で同視角の眼球運動を素早く行わせる。視標の位置は、右視角5度及び10度と左視角5度及び10度とし、ランダムに提示する。左視角10度の視標の出現率を70%とし、その他の3つはそれぞれ10%とする。 分析対象は、左視角10度の視標呈示時の眼球運動である。サッケード反応時間は視標の点灯に対する眼球運動開始までの遅延時間とし、これを分析項目とした。 測定2:被験者は、同一の10名からなる。安静頚部姿勢の条件と頚部前屈姿勢保持条件にて、測定1と同様のサッケード課題を行わせる。その課題中に左半球の前頭眼野領域へ経頭蓋的磁気刺激を行う。磁気刺激タイミングは、視標の点灯後40msから140msまで1msごとに設定する。分析項目は、サッケード反応時間である。 結果:測定1の検討の結果、アンチサッケード反応時間は、安静頚部姿勢に比べて頚部前屈姿勢保持の方が有意に短く、それぞれ254.3ms、227.7msであった。測定2の検討の結果、いずれの条件においても前頭眼野領域への磁気刺激によってサッケード反応時間が延長する一過性の干渉がみられた。干渉が生じるタイミングは、安静頚部姿勢に比べて頚部前屈姿勢保持の方が早く、それぞれ視標呈示後約110ms、80msであった。頚部前屈姿勢保持によるアンチサッケードの反応時間短縮と前頭眼野領域までの情報処理の早期化とが対応していることが推察された。
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Research Products
(4 results)