2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗肥満物質ニューロペプチドW(WPW)の機能形態学的解析
Project/Area Number |
17700479
|
Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
竹ノ谷 文子 星薬科大学, 薬学部, 講師 (30234412)
|
Keywords | ニューロペプチドW / オレキシン / メラニン凝集ホルモン / 生理活性ペプチド / 視床下部 / ニューロンネットワーク / 摂食調節作用 / ラット |
Research Abstract |
ニューロペプチドWは新規生理活性ペプチドであり、摂食調節作用をもつ。我々は本年、NPWニューロンの機能形態学的解析とトランスジェニックマウス作成を行なった。 ニューロペプチドW(NPW)ニューロンの分布局在を観察し、NPW免疫細胞体とNPW免疫陽性線維の発現は、確実なコルヒチン投与が不可欠であることを明らかにした。NPWニューロンは室傍核に豊富に存在し、さらにNPWニューロンは弓状核や外側視床下部にも存在することを明らかにした。また、外側視床下部のNPWニューロンは、前部では線維のみが観察され、視床下部の後部では、僅かな範囲でのみ細胞体がみら、NPWニューロンの発現は部位により、ばらつきがあることが明らかになった。我々はらにNPWニューロンとその他の摂食調節物質との神経相関を調べた。その結果、NPWニューロンは外側視床下部の、オレキシンやメラニン凝集ホルモン(MCH)ニューロンの細胞体とその突起に投射していることを形態学的に明らかにした。 この他、NPWニューロンは室傍核においてニューロペプチドYとも神経相関をもつことが観察され、複雑なニューロンネットワークを構築していることが示唆された。これらの神経相関は現在、電子顕微鏡にて詳しく観察している。また、ラット脳内のNPW標的ニューロンの神経細胞を単離し、NPWを投与した後のCa濃度を計測し、細胞内シグナル伝達機能を調べている。さらにNPWのトランスジェニックマウス作成は、現在、NPW遺伝子プロモーター制御下でEGFFを発現させているところである。 以上の成果は国際および国内の学会等で発表され、また、NPWの外側視床下部でのオレキシンとMCHの神経相関は論文により発表された。
|