2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700480
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Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
木島 章文 福山平成大学, 福祉健康学部, 講師 (10389083)
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Keywords | 開脚・交脚方略 / 眼球運動 / frame of reference |
Research Abstract |
移動方向の転換を行う2つの視線-全身協応方略,すなわち開脚・交脚方略(open and cross cut maneuvers)を検討した.開脚方略とは全身回旋の支持脚が回旋方向と対側になる動作を指し,交脚動作とはそれが同側になる動作を指す.通常より早期に転換の目標方向へと視線定位させる実験処置を施した結果,開脚方略においては視標に対する視線定位が全身の方向転換と独立してなされる一方,交脚方略においては視線とほぼ同時に頭部が指標方向に定位される傾向が強かった.これに続いて開脚では頭部と体幹が目標方向へと水平面回旋し,交脚では頭部に遅れて体幹が水平面回旋した.またこの動作と同時に,開脚方略においては体幹が地面に対して垂直に保たれたが,交脚においては体幹が指標方向へ倒れ込んでいた.出力後の動作可変性において開脚動作には交脚動作にない利点があると考察した.これらの成果は本年度行う申請課題の実験計画を最終決定する上で不可欠であった.2007年度の研究課題は追試を通してこの結果を再検証し,さらに方向指示を2段階で支持する重拘束課題を用いて,開脚動作の有効性に関して発展的知見を得ることである.所属環境における実験系の整備を完了しつつあるほか,申請課題の理論背景とスポーツへの応用に関する展望を総説論文としてまとめる準備がある. 以上の実験結果についてはNASPSPA 2007 Conference(Denver, Colorad, USA)にて,スポーツにおける成果の応用と発展については日本バイオメカニクス学会のシンポジウム(早稲田大学,埼玉)にて,それぞれ発表した.なお,申請年度当初に実験系のデザインほか実験計画に関してDr.Patla, A.E.(Waterloo)に示唆を得る計画を示したが,Patla氏が脳腫瘍により逝去されたため,氏の研究室にて在外研究経験があるDr.Higuchi, T.と定期的に意見交換を行っている.
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