Research Abstract |
本研究では,三次元画像解析手法を用いて研究を行った.本研究の分析は,1/4秒ごとに得られた選手及びボールの三次元座標データ(一次データ)から,移動距離や移動速度,選手間の移動速度の関連性など,これまで指導者の主観で評価されていた攻防のパターンを比較できる二次データとして算出した.本研究で用いる画像解析手法でのデジタイズはマニュアルによって行われ,1試合あたり105600ポイント(4frames/sec×40min×11points)のデジタイズ作業を行った. その結果,勝利したチームの移動距離の平均と標準偏差は5600.0±242.9m,負けたチームの移動距離の平均と標準偏差は5552.4±176.4m,ボール107115.5mであった.ポジション別にみると,両チーム共に,移動距離からみるとSG, Fにかかる負担が多かった.また,勝利したチームの平均移動速度は1.7±1.3m/s(最大移動速度7.6m/s),負けたチームが1.7±1.2m/s(最大移動速度7.8m/s),ボールが3.2±2.5m/s(最大移動速度15.5m/s)であった.ポジション別の差異は認められなかったが,各選手のクォーターごとの移動速度はほとんど変化が見られた.1試合を通して,両チームの選手間の相関係数は.31〜64であった.また,マッチアップごとにみると,G:.48,SG:.48,F:.51,PF:.55,C:.64と,それぞれ比較的強い相関関係にあった.Kチームが攻撃時のマッチアップごとの関係性を見てみると,G:.42,SG:.47,F:.35,PF:.54,C:.69であり,Jチーム攻撃時はG:.52,SG:.49,F:.64,PF:.53,C:.60であった.
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