2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700494
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
住谷 和則 香川大学, 医学部, 教務職員 (40294772)
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Keywords | 運動脳科学 / 激運動 / 海馬 / 酸化ストレス / 記憶学習能力 |
Research Abstract |
研究実績の概要 本研究の目的は、昨年同様に激運動をマウスに行わせ、脳神経細胞に及ぼす活性酵素の影響を確認し、その機序を探った。今年度は、海馬神経細胞において抗酸化防御酵素のチオレドキシン、細胞質やミトコンドリアの抗酸化酵素のチオレドキシン依存性ペルオキシダーゼ及び酸化修飾タンパク質の4-HNE(4-hydroxynonenal)に着眼し免疫組織化学法を用いて評価し、さらに、記憶行動学習能力も評価した。 トレッドミルにて2つの運動群(HardTraining群:HT群・MildTraining群:MT群)に走運動を行わせ、灌流固定を行い凍結切片及びパラフィン切片を作製した。HE(Hematoxylin-Eosin)染色でHT群における海馬錐体細胞の障害を確認し、抗酸化酵素のTrx抗体や新規の抗酸化酵素のSP-22抗体による免疫染色を行い、酸化ストレスの神経細胞への障害を調べた。そして、酸化ストレスの障害を検出する指標として、酸化修飾タンパク質の一つである4-HNE抗体による免疫染色を行った。また、8方向放射状迷路を用いて、記憶行動学習能力を分析した。 本研究の結果として、昨年度同様にHT群にのみ海馬錐体細胞の障害が確認され、その障害部位おいて4-HNE抗体による強い反応を示した。しかしながら、抗酸化防御酵素のTrx抗体やSP-22抗体では、変化が見られず、さらに8方向放射状迷路では、両群において変化が確認されなかった。 以上の結果から、激しい持久運動による海馬錐体細胞障害への要因として、酸化ストレスが関与していると考えれる。しかし、記憶行動学習能力では変化が確認されなかったことから、機能的には正常であり、神経細胞は障害を受けるが、修復される可能性があることが示唆された。来年度以降にその関与を詳細に検討し、その機序の解明を目指す指針となりうるものである。
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Research Products
(1 results)