2006 Fiscal Year Annual Research Report
コーチのチームマネジメント機能に関する種目共通性と種目特殊性の検討
Project/Area Number |
17700502
|
Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
佐藤 正伸 国際武道大学, 准教授 (20251720)
|
Keywords | スポーツ教育 / リーダーシップ / 組織経営 / 競技スポーツ / コーチング |
Research Abstract |
本研究は、ジュニア期のコーチングに着目し、コーチのチームマネジメント機能については、種目間の共通性や種目ごとの特殊性を考察することを目的としている。平成18年度は、選手の立場、すなわち「選手の期待」という視座から、コーチのチームマネジメント機能の構造分析を実施した。 研究は、大学生に高等学校時代を回想して回答を求めるアンケート調査によって考察を進めた。回答を基に、因子分析を実施して構造を分析した結果、「スポーツ指導」「組織づくり」「対外的行動」の3因子に分類された。昨年度、コーチを対象とした調査した際、「スポーツ指導」「スポーツ指導を支える行動」「組織づくり」「対外的行動」の4因子に分類された結果と比較すると、おおよそ「スポーツ指導を支える行動」と分類された項目が、「スポーツ指導」と「組織づくり」に別れた結果であった。すなわち、競技スポーツの経験があったとしても、コーチングの経験ない選手は、コーチのチームマネジメント機能の認識が未成熟であると考えられる。したがって、コーチ育成プログラムに際し、「チームマネジメント」に関する知識を教授する必要が示唆される。 また、選手の個人特性による違いを検証した結果、競技成績の低い選手では種目による違いは少なく、競技成績の選手において、やや種目による違いが見られた。この場合、個人種目系の選手の方が「スポーツ指導」に関わる職務遂行を期待する傾向があるのに対し、集団種目系の選手は「組織づくり」に関する職務遂行を期待する傾向があった。コーチに対する調査(平成17年度実施)においても同様の結果が得られており、チーム創成期におけるコーチングには種目による特殊性が小さいと推察される。
|