2005 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ振興政策の財源確保に関する研究-スポーツ振興くじの現状と課題-
Project/Area Number |
17700504
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
原田 尚幸 和光大学, 経済経営学部, 講師 (40295283)
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Keywords | スポーツ振興 / 財源 / スポーツ振興くじ / toto |
Research Abstract |
平成17年度は、まずスポーツ振興くじの現状を把握するための資料収集を行った。具体的には、スポーツ振興くじの長い導入実績があるイギリスを訪問し、市民生活とスポーツくじとの関係や販売の実態について情報収集をした。また日本国内の学会や台湾で開催された台湾体育学会において、スポーツ振興くじの現状や問題点について研究者と意見交換し、情報収集をした。 平成17年10月には、スポーツ振興くじの現状と課題を探るべく調査を実施した。315名の回答者からは、スポーツ振興くじの購入に関する回答として、「よく購入している(0.3%)」「たまに購入する(4.4%)」「以前は購入していたが、今は買わない(5.7%)」「購入したことがない(89.5%)」と圧倒的に購入経験が少ない結果となった。 購入しない理由として最も多かったのは、「興味がない」であり、その他では「よく知らない」「当たらないから」という声に加え、「賭け事が嫌い」「買う気になれない」といった声も聞かれた。 また、以前は購入していたが今は買わない理由には、「仕組みが複雑になった」「当たっても配当が少なかった」「当たらないから」「他のくじの方がおもしろい」といった声が聞かれた。 平成17年度に得られた結果を要約すると、何のためのスポーツ振興くじなのかといった理念の伝達が欠落していると考えられる。近年の戦略は、購入機会の増大に重点が置かれていた。テレビCMでは、当選の仕組みが簡素化されたことを中心に放映されている。これを例えば、スポーツ振興くじの売り上げによって芝生化された校庭やアテネオリンピック大会で優秀な成績を収めることに貢献したことをイメージ映像として流し、スポーツ振興くじの収益が何に貢献しているかを認識してもらう必要がある。 平成18年度は、平成17年度で得られた結果や仮説を踏まえ、大都市圏におけるスポーツ振興くじ購入の実態と人々の持っているイメージ、貢献内容に対する認識について詳しく調査する予定である。
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