2006 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングによる筋糖代謝機能改善のメカニズムに関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
17700507
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
長崎 大 愛知学院大学, 心身科学部, 助教授 (30387568)
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Keywords | スポーツ生化学 / 身体運動 / シグナル伝達 / 糖 / 骨格筋 |
Research Abstract |
運動が健康増進に貢献する最も重要な作用の1つは、インスリンに対する筋肉の感受性を高める効果である。この効果は、単回運動の繰り返しによるインスリンシグナル分子に対する遺伝子発現、蛋白量の増加効果がインスリン抵抗性の改善を誘導するものと推測できるが、この仮説を証明する報告はない。そこで糖代謝調節を正に制御する因子について、運動トレーニングが及ぼす影響を検討した。平成17年度の研究において、運動トレーニングがIRチロシンリン酸化を有意に亢進(170%増)させることを報告した。そこで、平成18年度では、前年度同様に5日間の水泳運動トレーニングモデルラットを作製し、遺伝子発現について検討を行っている。現在、運動トレーニングモデル動物(トレーニング後の時系列モデル:トレーニング前、直後、1時間後、3時間後、6時間後)の作製が完了したところであり、IRS-1、PI3-k、PDK-1、PKB/Akt、MyoD、myogenin、Myf-5、MRF4、およびPGC-1mRNAを測定中である。mRNAの定量は、RT-PCR法により測定している。これらの成果によってシグナル分子を正に制御するメカニズムの解明が可能となる。また、最終年度の課題である、シグナル分子を負に制御するメカニズムの解明として、電気刺激による筋収縮モデルラットの実験系の開発も合わせて行っている。3年間の研究成果によってシグナル分子を正負に制御するメカニズムの解明が可能となり得る。
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